about 地方創生について

「地方が元気にならなければ、日本の未来はない」—— 2014年、そんな言葉とともに、私は地方創生の世界へと踏み出しました。それまでは東京を中心に広報・PRの仕事に携わり、地方の課題には無縁の場所にいました。そうした中、全国各地を訪れ、人びとの声に耳を傾けるうちに気づいたのです。
そこには「この町をなんとかしたい」という切実な願いと、まだ眠っている“地域の可能性”が確かにあることに。

香川県・琴平町との出会いは、そんな旅の途中にありました。金刀比羅宮の参道に広がる商店街は、かつて多くの人でにぎわっていた場所。けれど、いまはシャッターが下り、人通りも少なくなっている。「この場所にもう一度、人のにぎわいを取り戻したい」——そう思い、私たちは空き店舗を活用して、文具店「琴平文具店」を皮切りに、クラフトビール醸造所「呑象ブルワリー」、日本茶カフェ、ベーグル店、宿泊施設などを少しずつ展開してきました。
一軒のお店では町は変わらない。でも、人が集まる“面”ができれば、町の風景はきっと変わっていく。「地域まるごとホテル」という構想のもと、私たちはこの町に新たな時間の流れと人の動きを生み出そうとしています。

けれど、これはまだ“道半ば”。琴平町での挑戦は、私たちにとって出発点にすぎません。シャッター商店街活性化で地域での足場を固め、地元事業者が抱える最大の課題「人」にフォーカスした新たな事業「地域の人事部」確立にも着手しています。この取り組みを香川全域へ、そして四国、さらには全国へと広げていく——そんな未来を本気で目指しています。
どの町にも可能性はある。ただ、それを信じて一歩を踏み出す「人」と「場」、「機会」が必要なのです。

私たち株式会社地方創生のミッションは、「地域の可能性をひらき、人が輝くまちをつくる」こと。地方の課題は、人が活躍する“場”と“機会”が少ないことだと、私は思っています。だからこそ、地域の中に、あるいは地域の外からも人材を呼び込み、その人たちが自分の力を信じてチャレンジできる舞台をつくる。それが、私たちの仕事です。この挑戦は、パソナグループの理念「社会の問題点を解決する」、そしてミッションである「ライフプロデュース」の体現でもあります。人が動き、町が変わり、地域が元気になれば、日本全体もきっと変わっていく。

「地方の元気が、日本の元気に」—— この言葉を胸に、私たちは今日も、地域で汗をかき、声を聞き、仲間と共に未来をつくっています。

株式会社地方創生 代表取締役社長　近江 淳